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遺言書の作成を検討している方へ

相続対策として生前贈与を行う際の注意点

遺言とは、自分の死後、財産関係や身分関係についてどうするかを定めておくことのできる法律行為です。
相続をめぐる争いが年々増加し、その激しさも増してきている昨今、遺言を残す人は年々増加しています。遺言書に個々の財産を誰に相続させるかを明確に示すことで、相続人間の争いを未然に防ぐことや、相続人以外の人に財産を与えることも可能です。
遺言の種類には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言がありますが、当事務所では、偽造・変造・紛失等のおそれのない公証人作成による公正証書遺言の作成をサポートしております。
また、証人や遺言執行者の適任者が見あたらない場合のご相談にもお乗りいたしております。将来の不安を取り除くためにも、遺言の作成について検討をしてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

遺言書作成のメリット

遺言を書くメリットには以下のようなものが考えられます。

  1. 自分の思い通りに財産の処分ができる
  2. 相続財産をめぐる争いを防いであげられる
  3. 残された相続人の相続の手続きが簡単になる
  4. 相続人でない者へ財産を残すことができる
  5. 生前の希望や思いなど直接伝えづらいことでも記載できる

自分の思い通りに財産の処分ができる

自分の思い通りに財産の処分ができる

相続が発生すると、民法で定められた法定相続人に遺産を相続する権利が発生します。そして法定相続人全員で遺産分割協議を行い、個々の財産を誰が相続するかを定めます。
しかし、法定相続人であれば、何十年も疎遠であった子や、自分に対して酷い仕打ちをした配偶者などにも相続する権利が生まれます。このような人々に自分の遺産を渡すよりは、世話になった子供達などに遺産を残してあげたいと考えるのではないでしょうか。
世話になった子供達に個々の財産を相続させることを、遺言で明確に定めておくことで、遺言者の感謝の気持ちや愛情などの思いを伝えることもできるでしょう。
ただし、法定相続人には遺留分という権利がありますので、自分の考えている相続人のみに遺産を残すことができるとは限りませんので注意が必要です。

相続財産をめぐる争いを防いであげられる

相続争いの最大の原因は、遺産を分ける際の不公平感です。  
遺産については、相続人それぞれの思い入れや状況が異なるため、全員が納得するような遺産分割協議を行うことは大変難しいことです。相続人間で争いが生じれば、家庭裁判所で調停が必要になるケースも考えられ、後々まで遺恨を残すことにもなりかねません。遺言を書く際は、できるだけ相続人間で不公平感が生じにくいように十分考慮した上で、個々の財産を誰に相続させるかを明確に定め、遺言者の思いを相続人に届けましょう。
遺言者の遺志に基づいた遺産分配ならば、遺産分配方法について相続人が納得する可能性も高まるでしょう。相続人の争いを未然に防ぎ、自分の死後も相続人同士が円満に仲良くしていけるように、遺言を書いておくと良いでしょう。

残された相続人の相続手続が簡単になる

大切な時期にお待たせいたしません

相続が発生すると、法定相続人全員で遺産分割協議を行い、個々の財産を誰が相続するかを定めます。遺産分割協議が成立するためには、すべての相続人の合 意が必要なため、相続人が1人でも遺産分割の内容に反対すれば、遺産分割協議は成立せず、相続手続きを進めることができなくなってしまいます。
(遺産分割 手続きについては「相続登記とは」参照)
また、何十年も疎遠な親族が相続人の場合、彼らと連絡を取り合い、遺産分割協議をすることは、かなり骨の折れる作業になりますので、残された相続人の負担はかなり大きいでしょう。
このような場合でも、被相続人が個々の財産を誰に相続させるかを明確に示した遺言書を作成していれば、遺産分割協議をせずに、遺言書に基づいて相続手続を行うことが可能なため、相続人の負担も少なくて済みますし、相続人同士で争いになることを未然に防ぐことにもなるでしょう。

相続人でない者へ財産を残すことができる

相続が発生すると、民法で定められた法定相続人に相続する権利が発生するため、通常法定相続人以外の第三者が遺産を取得することはできません。
しかし遺言に記載することで、法定相続人以外の第三者に遺産を残すこともできるため、長い間自分を大切にしてくれた息子のお嫁さんなどに遺産を残してあげることも可能です。ただし、法定相続人には遺留分という権利がありますので、自分の考えている人のみに遺産を残すことができるとは限りませんので注意が必要です。

生前の希望や思いなど直接伝えづらいことでも記載できる

遺言書の文言「相続」と「遺贈」の違いについて

お金をせびっては親に借金を背負わせたり、親のお金を盗んだりを繰り返す子や、日々暴力をふるったり、重大な侮辱をした子などの推定相続人の相続権を奪うことを「相続人の排除」といいます。生前にも行うことができますが、遺言書に記載しておけば、生前に相続人の廃除をめぐって波風が立つことを防ぐことができます。
また、遺言で「認知」をすることも可能です。家庭に波風を立てたくないなどの事情により生前は認知できなかった場合でも、せめて遺産を残してあげたいと考え、遺言で認知をすることも可能です。
なお「相続人の廃除」も「認知」も、遺言者が亡くなった後に遺言執行者が手続を行う必要があるため、遺言執行者についても遺言書に記載しておくと良いでしょう。

公正証書遺言作成の流れ

Step1 お電話によるご相談受付

ご相談の受付

まずは当事務所(045-662-0828)へご連絡ください。ご相談の予約を受け付けております。ご来所いただくのが難しい場合は出張サービスも承ります。

Step2 遺言書の文案の打ち合わせ

大切な時期にお待たせいたしません

遺言書作成担当の司法書士が親切丁寧に対応し、誰に不動産・預貯金・株式等を受け継がせるか、遺言の内容を決めていきます。
その際、資産の特定や費用を算出するために、不動産を所有している方は登記簿謄本(登記事項証明書)、固定資産評価証明書、預貯金がある方は支店・口座番号の分かるもの等をご用意いただきます。
また、遺言書作成に必要となる戸籍謄本や印鑑証明書等の必要書類をご連絡します。

Step3 公証人と文案及び日程の打ち合わせ

公証人と文案及び日程の打ち合わせ

2で打ち合わせをした遺言書の文案について、司法書士が公証人と打ち合わせをし、遺言者の意思を正確に反映した遺言書文案を決定します。また、公証人に公証人費用を算出してもらい、公証役場で公正証書遺言を作成する日時を決定します。

Step4 公証役場で証人2人と共に公正証書遺言の作成

遺言書の文言「相続」と「遺贈」の違いについて

公正証書遺言を作成するためには、証人2人の立会が必要です。
証人は誰でもなれるわけではないので、当事務所で証人をご準備することも可能です。公証人が遺言の内容を遺言者と証人に読み聞かせ、又は閲覧させて、筆記した内容が正確なことを確認させ、遺言者と証人2人が遺言書に署名・押印します。

Step5 公正証書遺言の完成

公正証書遺言の完成

公正証書遺言の原本は公証役場で保管されますので、公正証書遺言の正本と副本を受け取ります。 公正証書遺言については、ご自身で保管されるか、遺言執行者や受遺者等に預けておくと良いでしょう。ご保管が不安な方は、当事務所でお預かりさせていただくことも可能です。

公正証書遺言作成の費用

当事務所の公正証書遺言作成サポートの費用は下記のとおりです。
なお、下記費用のほか、書類の授受等を郵送処理等で行う場合、若干の通信費等及び消費税がかかりますのでご了承ください。
なお、公正証書遺言の作成には、司法書士報酬の他に公証人の手数料も別途必要になります。

公正証書遺言作成サポート司法書士報酬

種類 司法書士報酬
公正証書遺言案文作成 財産額1億円以内… 50,000円(税込55,000円)
1億円を超えるもの(1億円ごとに右記金額を加算)…10,000円(税込11,000円)
証人立会料 1名につき…10,000円(税込11,000円)
公正証書遺言保管料 1年につき…10,000円(税込11,000円)

公正証人手数料(受遺者が1人の場合)

種類 公証人手数料
100万円以下 16,000円
(遺言加算後の金額)
100万円を超え200万円以下 18,000円
(遺言加算後の金額)
200万円を超え500万円 22,000円
(遺言加算後の金額)
500万円を超え1,000万円以下 28,000円
(遺言加算後の金額)
1,000万円を超え3,000万円以下 34,000円
(遺言加算後の金額)
3,000万円を超え5,000万円以下 40,000円
(遺言加算後の金額)
5,000万円を超え1億円以下 54,000円
(遺言加算後の金額)

公証人手数料は、遺言によって財産を相続(又は遺贈)する人数によって異なります。公証人手数料については、遺言の内容が決まり費用算出が可能となり次第、見積もりを算出させていただきます。

遺言執行業務

遺言者がお亡くなりになり相続が発生した場合、遺言書の内容に従い、財産の引渡手続き等を行う必要が生じます。
この財産の引渡手続き等の業務を遺産執行業務といい、実際に財産の引渡し等の手続きを行う人を遺言執行者といいます。
遺言執行者は、遺言書のなかで指定されることが多いですが、指定されていない場合でも、利害関係人が家庭裁判所に申し立てをすることで、遺言執行者を選任することができます。
利害関係人とは、相続人、受遺者(遺贈を受けた者)、遺言者の債権者などが該当します。

遺言執行者の指定について

遺言執行者の指定について

遺言執行業務の流れ

Step1 相続人の調査

遺言執行者に就任した場合、遅滞なくStep2の相続人等への通知を行う必要があるため、その前提として法定相続人の調査を行わせていただきます。

被相続人の出生からお亡くなりになるまでの戸籍謄本等を取得させていただき、どなたが相続権をもつ法定相続人かを確定いたします。

Step2 相続人その他利害関係人への通知

ご相談の受付

遺言執行者に就任後、遅滞なく、法定相続人や遺贈を受ける人(受遺者)に対して、遺言執行者に就任したことや遺言書の内容について連絡をいたします。

Step3 相続財産の調査・相続財産目録の作成

遺産調査・財産目録の作成

被相続人の遺産や負債の調査を行い、相続財産目録を作成させていただきます。

不動産については、路線価や固定資産評価額の調査、預貯金については金融機関より残存照会や残高証明書を取得し、相続発生時の遺産や負債に関する財産目録を作成させていただきます。 

Step4 相続財産目録の交付・相続や遺贈を受ける意思の確認

大切な時期にお待たせいたしません

法定相続人や遺贈を受ける人(受遺者)に対して、相続財産目録を交付し、遺言書に基づく遺産の執行を受ける意思の確認を行います。

Step5 財産の引渡し(遺言執行)

不動産名義変更がスムーズに行える

遺言書の内容に従い、不動産の名義変更や預貯金・株式の解約などを行い、財産の引渡手続きを行います。

Step6 遺言執行業務終了のご連絡

法定相続人や遺贈を受ける人(受遺者)に対して、遺言書に定められた執行手続きが終了した旨の報告を行い、遺言執行業務は終了となります。

遺言執行業務 司法書士報酬

財産額 司法書士報酬(税別)
1億円以下 1%(最低額300,000円)
1億円~3億円以下の場合 0.7%+300,000円
3億円を超える場合 応相談

※ 報酬算定の基礎となる財産額は、遺言執行業務対象財産の相続開始時点の相続税評価額 (但し、不動産については固定資産評価額)とし、負債を除いたプラス財産の総額となります。
※ 以下の諸費用は、別途、各ご相続人・受遺者様のご負担となります。
  ア)不動産の登記手続が必要な場合、登記手続にかかる司法書士報酬及び実費
  イ)相続税の申告が必要な場合、申告手続にかかる税理士報酬及び実費
  ウ)裁判手続きを要する場合、司法書士報酬や弁護士報酬などの裁判費用
  エ)税金、印紙、交通費、通信費等の実費
※ 不動産を換価して分配するために、遺言執行者として不動産を売却した場合は、売却価格の1%(最低額10万円)が特別執行報酬として加算されます。